肝のうつ
2019.04.18
4月になり環境が変わられた方も多いことと思います。皆様いかがお過ごしでしょうか。
環境の変化でちょっとストレスが溜まって…本日は、そういう方にぜひ参考にしていただきたいお話です。
漢方ではストレスは『肝』という臓器(肝臓ではありません)が、まず受け止めると考えます。適度なストレスなら『肝』で処理できますが、『肝』のキャパを超えるストレスがかかると…
からだが常に緊張して、息が十分吸えない感じや、胸やわき腹が痛んだり硬くなったり、げっぷやため息がよく出たり、頭が締め付けられるような頭痛があったり、肩こり便秘や足の冷えが出たり、
気分はいらいらしたり落ち込んだり、じっとしていることが苦痛になったりなどの状態になりやすいのです。
運動や趣味で気分を発散させることもいいですが、漢方薬がこの状態には有効です。
おもに『柴胡(さいこ)』という生薬が入った通称、柴胡剤といわれる漢方薬がよく、体力のない虚証の方には『柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)』、中間証の方には『四逆散(しぎゃくさん)』、体力充実の方には『大柴胡湯(だいさいことう)』などが有効でしょう。
それ以外にものどの詰まる傾向のある方に『半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)』も適応があります。
くれぐれもお酒で気分発散などご無理されないようにしましょう。
『肝のうつ』かな?と思われたら漢方薬で早めに治療していきましょう。
悠 心身クリニック 院長 中澤 武志