血の道症

2019.05.08

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さて、漢方独特の疾患概念で『血の道症』というものがあります。皆さんもお聞きになったことがあるかと思います。

 

血の道症とは、婦人に起きる病態で、月経・妊娠・出産・産褥・更年期など生理的現象や、流産・人工妊娠中絶・避妊手術などの異常生理によって発病するもので、

 

症状は多彩で、顔面紅潮・のぼせ・手足のほてり・体がカッーとする・動悸・胸の締め付け・耳鳴り・血圧変動などがあります。

 

血の道症の漢方薬といえば四物湯(しもつとう)が中心になりますが、

焦燥感が強い場合は 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や加味逍遙散(かみしょうようさん)を合方し、

パニック障害を併発している場合は、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)や苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を併せます。

さらに、

不安・恐怖・不眠が強ければ、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を併せ、

抑うつ傾向が顕著の場合は、香蘇散(こうそさん)や半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を合方します。

 

体力があり、肩こりが頑固でめまいがあり、興奮しやすい方には女神散(にょしんさん)もいいでしょう。

 

ご参考になれば幸いです。     悠心身クリニック 中澤 武志