お腹に二本の棒?
2019.05.27
皆さまこんにちは。悠心身クリニックの中澤です。
先日運動会の前の日に鼻血を出したとう小学生の男のお子さんが来院されました。もともとイベントの前などには熱を出したりお腹を痛がったりして、興奮しやすいとのこと。
そこでお腹を見てみますと、おへその横に二本の棒のように固くなった筋肉がはっきり浮き出ているではありませんか。おまけに手足はうっすら汗ばんでいます。
江戸時代から、このお腹の状態は『二本棒』とよばれ、小建中湯(しょうけんちゅうとう)などの建中湯類(黄耆建中湯や当帰建中湯があります)を使う指標になっています。
子のお子さんにはさっそく小建中湯を処方しましたが、だんだん体力がつき心身ともに成長していかれるのではと思っています。
この小建中湯、お子さんのおくすりと思いきや、実は大人にもしばしば使用の機会があります。
気が小さくまじめで、些細なことで気が高ぶりいらいらしやすい。いつも疲れていて口が渇いたり手足が汗ばんだり、動悸や胸の重苦しさがある、という方々のこころとからだの滋養強壮にいいのです。
もち米で作った飴が主役で甘い味でお子さんにも飲める漢方薬です。
お子さんにあげてよかったけど、自分にも合うみたい、そんなこともあるかもしれませんね。