五苓散の話
2019.08.22
蒸し暑い日が続きますが皆さまいかがお過ごしでしょうか?
高温多湿の日本にいますと、どうしてもからだの水はけが悪くなりがち。それに加えて水分の過剰摂取や汗をかかない生活習慣から、水余りの現象がよく見られます。
頭痛やめまい、たちくらみ、肩こり、車酔い、悪夢などに加えて、特にこの季節は「こころもからだもダルおもい」などの訴えがしばしば聞かれます。
熱中症や脳梗塞の予防に水分の摂取を勧める報道をよく見聞きしますが、水余りが逆に体調不良を引き起こす(水毒と言います)こともあるのです。
私ことですが、長年、右側の首や背中の張りがあったのですが、最近『五苓散(ごれいさん)』を服用したところ、ものの15分で数十年来のコリがゆるんでいくのが実感できました。
長いこと解消法を探していたのですが、まさか五苓散で軽快するとは・・・
思い起こせば、小さいころからとても車酔いしやすく、汗かきでよく水分をとるほうだったのです。また、ここ10年くらいは時々めまいがしておりました。おまけに舌にはしっかり両側に歯形がついております。典型的な水余りでした。五苓散がその余分な水分をからだから排出してくれたのでしょう。
ストレスからくるからだの緊張だとばかり思いこんでずっと柴胡剤をのんでいたんですが、効かなかったわけです。やはり、漢方薬を効かすには、病態把握が重要だと改めて反省したところです。
今後とも丁寧な診察をこころがけ、漢方薬で皆さまのお役に立てるよう日々精進していく次第です。
悠 心身クリニック 中澤 武志