やる気はあるのに、どうしても朝がつらい
2019.10.07
秋の陽気で過ごしやすくなった今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
本日のテーマは「やる気はあるのに、どうしても朝がつらい」方への漢方治療についてお話します。
学校や会社で嫌なことがあると、どうしても朝の登校や出勤がおっくにな身体が動きづらいものです。しかし、いったん学校や会社に行ってしまえば何とかなる、という方もおられます。
この動き初めのつらささえ乗り切ればあとは何とかなるという状態を漢方的には『胆虚(たんきょ)』と言います。胆は「肝っ玉母さん」などと言うように「動じない」「泰然としている」などをあらわす概念です。
この胆の気が弱っていると、ちょっとしたことにも不安でびくびくしたり、気持ちが舞い上がってどうしてよいかわからず、何も決められなくなります。
脈を診ると弱くてポッコリ盛り上がったような脈であることが多く、みぞおちと右の胸脇部に圧痛があることがみられます。
ではこの胆の気を漢方で補うにはどうしたらよいのでしょうか。胆の気を補う生薬は酸棗仁(さんそうにん)、や茯苓(ぶくりょう)です。エキス剤では、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)が主になるでしょう。
生真面目で、努力家で、少し繊細で神経質。何か気になることをきっかけに学校や仕事に行けなくなった、そういう方々の背中を押すお薬かもしれません。
悠心身 クリニック 中澤 武志