テレビを見るたび不安で・・・
2020.05.17
連日の報道に、私たちのこころも振り回されがちです。でも、それもそのはず。テレビ番組はいかに私たち視聴者の『不安』を掻き立てるかに焦点を当て制作されているのですから。
でも、例えば一人でテレビを見る習慣がある高齢者の方など、ふとした瞬間に「もしかして・・・」と、考えだすと次から次に悪い考えがあたまの中に出てきて止まらなくなるという方も珍しくはありません。
その結果、動悸がしてきたり、眠れなくなったり、気持ちが落ち込んで、寝込んでしまったり・・・
私はそういう状態を『心(しん)』の弱りと考えて加味帰脾湯(かみきひとう)をしばしば使います。服用すると気持ちが落ち着かんじがするのがわかるでしょう。
特に動悸が強い時は炙甘草湯(しゃかんぞうとう)を加えたり、気持ちが落ち込んで何もする気が起きないときは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を、のど元が詰まった感じがあるときは半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を一緒に使ったりします。
精神安定剤はよほど不安でおちつかないときの頓服薬として使用し、漢方薬をメインに使うことで眠気や、ぼんやりする副作用を避けられ、次第に地に足がついた生活をとり戻せると思います。
悠 心身クリニック 中澤 武志