六君子湯
2020.09.26
六君子湯(りっくんしとう)という漢方薬は、読んで字のごとし『六人の君子で構成されている漢方薬』という意味があります。漢方薬のなかでも基本になる、胃腸の働きを高めるとても重要なお薬です。
最近のストレス社会では、不安や気分の落ち込み、イライラといった『肝の昂ぶり』を示す方が多いのですが、この場合いきなり抑肝散などの柴胡剤を使うまえに、六君子湯でまずは『脾(胃腸)』を強くすることによって『肝』を元気にし、こころの弱りを改善するという考え方もあります。
やはり胃腸の働きを整えるというのは人間の力を回復させる基礎になるんでしょう。
最近落ち着きがなくて『抑肝散』を使いたくなるような子供さんがおられました。不安が強く、物事に驚きやすく眠れない、学校にいけないと話されていました。やせがたで体力のない感じでしたので『六君子湯』を使いましたところ、徐々に元気になって登校もできるようになりました。
老若男女、まずはお腹の力をとり戻せば、私たち人間の潜在能力はまだまだ計り知れないものがあるようです。
悠 心身クリニック 中澤 武志