そばに誰かがいないと・・・

2020.11.13

突然、動悸がして死ぬんではないかという恐怖感におそわれる。

 

このような突然の不調は決して珍しいものではなく、多くの方が経験するものです。さまざまな情報の氾濫や、人間関係のストレス、将来への不安や、災害への危惧など知らず知らずのうちにわたしたちは不安を抱えているのでしょう。

 

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)という漢方薬はこのような不安発作にしばしば有効です。

 

昭和の漢方の名医『大塚敬節』がこの半夏厚朴湯について以下のような解説をしていますのでご紹介しましょう。

 

半夏厚朴湯が効く人は、不安のためにひとりで道を歩けないとか、家にいても誰かそばに人がいないと動悸がして気分が悪くなるとか、一人で外出するときは住所と名前がわかるものを携帯する。これは途中でもし具合が悪くなった時に家族に連絡が行くようにするための用意である。この用意周到さが半夏厚朴湯を用いる目標である・・・』

 

私自身の使用経験でも、備えあれば憂いなしを教訓にしている方が多いこの社会で、半夏厚朴湯がよくあう方が多い印象です。

 

性格だから・・・とあきらめるのはまだ早い、かもしれません。ぜひご参考になさってください。

悠 心身クリニック   中澤 武志