命のバトンタッチ

2021.07.09

今から十数年前、『納棺夫日記』という小説の原作者、青木 新門氏の講演を作者の地元富山で聴きました。

 

この小説は、のちに『おくりびと』という映画にもなった名作です。

 

読まれたことがある方も多いと思います。まだという方はぜひお勧めいたします。

 

ずいぶん昔のことなので講演の内容は忘れてしまいしたが、講演のお題目が『命のバトンタッチ』だったことは覚

えています。

 

 

 

先日、プロ野球解説者の大島 康徳氏が亡くなりました。

 

44歳まで現役を続け、2000本安打も達成し、監督も務められた野球界のレジェンド。

 

でも、私がすごいと思ったのは、5年前に末期の大腸がんで余命1年の診断を受けながら、仕事もつづけ、好きな

タバコもやめず、周囲に明るく振舞いながら毎日の生活を送っておられたこと。

 

最後のブログにこう書かれていました。

 

「人は誰でも死ぬ。自分の終わりが来たときそれが俺の運命、俺の人生。だから精一杯生ききる。」

 

 

もちろんお会いしたこともないのに、勝手におおきなメッセージをいただいた気がしました。

 

すこし生きる勇気が湧いてきた気がしました。

 

 

『命のバトンタッチ』。あのとき青木氏がつたえたかったことが今、なんとなくわかった気がしました。

 

 

悠 心身クリニック   中澤 武志